ご挨拶
学校法人
女子美術大学
理事長からのメッセージ

本学女子美術大学は今年2025年に創立125周年という大きな節目を迎えました。
1900年(明治33年)に、女性に美術教育の門戸を開くべく、横井玉子という女性により、「芸術による女性の自立」を建学の精神として、本学の前身であります「私立女子美術学校」が創立され、佐藤志津という女性に引き継がれました。
私立の美術大学としては最も古い歴史をもつ大学であり、歴史と伝統を誇る大学であります。
創立以来125年、この間芸術の世界のみならず、あらゆる世界で活躍する数多くの卒業生を輩出していることは本学の誇りとするところであります。
しかしながら、創立以来の本学の歩みが決して平坦な道のりであった訳ではありません。創立間もない時期の経営難による廃校の危機、2度に亘る火災による校舎の消失、関東大震災、東京大空襲、東日本大震災、そして最近では新型コロナウイルス感染症など幾多の危機、困難を乗り越えて今日に至っております。
今日の本学があるのは、創立者はじめ多くの先人の御労苦の積み重ねの賜物であり、本学の益なる発展に努めることが我々の責務であります。
近年、私立大学を取り巻く環境は、世界に類を見ない急速な少子化の進行や社会環境の変化により、厳しさを増しております。
このような厳しい環境の中で、本学が安定した教育・経営環境を維持し、発展していくためには、教育組織・教育内容の見直しやキャンパス整備など、さまざまな改革を自ら進めていかなければなりません。
令和5年4月には、共創デザイン学科の新設等を行い、令和6年4月には、芸術学部既存三学科の再編を行いました。また、青梅街道沿いに新校舎の建設を予定するなどキャンパス整備を進めております。
今後も本学は、「女性のためのオンリーワンの美術大学」として、芸術の発展、ひいては社会の発展に貢献して参ります。これまで女子美術大学を支えてくださった全ての皆様に、あらためて感謝申し上げるとともに、これからの歩みにも変わらぬご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
女子美術大学
女子美術大学短期大学部
学長からのメッセージ

女子美術大学は1900年、東京の本郷弓町(現文京区)に創立され、今日に至る125年の間「女子」の「美術大学」という日本で唯一の存在として、優れたアーティストやデザイナー、教育者など輩出してきました。創立者である横井玉子は女性の社会的地位の向上のために活動する傍ら、アートやデザイン、芸術全般に及ぶ領域には女性の視点そして感性が必要不可欠であると考え、女子美術学校の創立に至ります。創立から2年後、玉子は病に倒れ命をかけた女子美の創立、そして、その理念を佐藤志津に託します。その志をしっかりと受け止めた志津は女子美の建学の精神を確固たる決意を持って継承し、女性の自立のために、そして、社会に貢献する人材の育成に生涯を捧げました。創立以来、社会状況は大きく変化してきましたが、本学は一貫して建学の精神に基づき、その時代の要請に応えるべく改革を重ねてきました。
横井玉子はアートやデザインの力で人々の暮らしを豊かにしたい、そして機能的で衛生的で安全であるための創意工夫の重要性を説き、自らも研究に努めています。佐藤志津は社会に貢献できる人材、女性リーダとして活躍できる人材の育成を目指して技術の向上と教養教育の充実、さらに社会と連携して行う実践的な教育を行いました。
125週年を迎えた現在はグローバル化が進み、多様性重視の時代です。どのような時代が来ようとも社会の変化に対応できる特色ある大学として、女子美の戦略的ポジショニングを制定し「女性のための美大」「アジア・世界を見据えた美大」「教育力の高い美大」を目標に正課授業の再編を行い、正課外の活動を通した取り組みを実践しています。キャリア支援の充実したプログラムときめ細かい指導により就職においても成果を上げています。
女子美術大学は唯一無二の大学として、考える力、生きる力を備えた人材の育成に取り組み、芸術の道を切り拓き、社会に貢献できる人材の育成に努めます。125週年の記念事業に関心をお寄せいただき、卒業生の皆様をはじめ多くの方々にご支援を賜りたくお願いいたします。
女子美術大学付属高校・中学校 校長からのメッセージ

在校生・保護者の皆様、卒業生の皆様、そして女子美を応援してくださるたくさんの皆様、いつも変わらぬご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。おかげ様で女子美はここに125周年を迎えることができました。
長い歴史と伝統を誇る女子美ですが、いつも順風満帆であったわけではございません。開校後すぐに経営難に見舞われ、また火災や関東大震災、そしてあの悲惨な戦争など、様々な多くの苦難がありました。そのたびに当時の学生、生徒や教職員が力を合わせて頑張ってきましたが、自分たちの力だけで克服できたのではありません。卒業生はもちろん、広く社会に助けを求め、理解ある多くの支援者に恵まれたおかげで乗り越えてこられたのです。
最近ではあのコロナ禍、付属は生徒の安全を第一に保護者の皆様と教職員で工夫を凝らして乗り越えてまいりましたが、地域の皆様や関連会社など多くの方のお力をお借りしました。また、順天堂大学と北里大学の両大学病院の皆様に、ワクチン接種などで助けていただいたのは記憶に新しいところです。付属同窓会の皆様からは多大な寄付をいただき、全教室に空気清浄機を設置することができました。あの得体のしれない恐怖の中、皆様の心強いご支援で大きな安心感をいただきました。この場をお借りして、あらためて御礼申し上げます。
現在世界情勢は混沌としており、日本は少子化が止みません。女子美の今後も明るい話題だけではありませんが、このVUCAの時代にこそ「ゼロから1を生み出す独創力、センスのある表現力、知識に加えての非認知能力」など、美術で培われる様々な能力が脚光を浴び、女子美の評価は高まっております。建学の精神を守り抜いた先達の不屈の想いを受け継ぎ、さらに改革を進めて前に進みます。さらなる飛躍を目指しながらも初心を忘れずに、素晴らしい先輩たちに続いて広く世界に活躍する女性を育てて社会貢献を果たし、女子美の存在意義を高めてまいります。
皆様、これからの女子美にご期待ください。今後ともご一緒に、どうぞよろしくお願いいたします。